トランプといえば、誰しも一度は遊んだことがあるカードゲームの道具。しかし、あなたは考えたことがあるでしょうか?「なぜトランプは52枚なのか?」「なぜ1つの絵柄(スート)に13枚もあるのか?」
当たり前のように使っているその枚数には、実はとても奥深い意味が隠されているのです。今回は、トランプの枚数に込められた意味や各絵札の秘密を紐解いていきましょう。
トランプの枚数・種類をおさらい
一般的なトランプには、4つのスート(♠スペード、♥ハート、♦ダイヤ、♣クラブ)があり、それぞれ13枚ずつのカードが存在します。数字カード(Aから10)に加えて、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)の3枚の絵札があり、計13枚。これが4スート分で合計52枚になります。
さらに、ジョーカーと呼ばれるカードが1~2枚付属していることが多く、全部で54枚のセットとして販売されているのが一般的です。ジョーカーはゲームによって使ったり使わなかったりしますが、その存在にも実は意味があるのです。
トランプの枚数は世界共通?
現在、私たちが使っている「13枚×4スート+ジョーカー」という構成は、フランス式トランプに由来しています。これが17世紀以降にイギリスを経てアメリカに渡り、量産されるようになったことで、世界標準となりました。
実際、スペイン式トランプ(40枚構成)やドイツ式トランプ(32枚構成)など、地域によって異なるスタイルのトランプも存在します。ただ最も汎用性が高く、さまざまなゲームに対応できたのが現在の52枚構成だったというわけです。
トランプの枚数はなぜ52枚?13枚ずつ?
では、なぜトランプは52枚なのでしょうか?実はこの枚数、「1年=52週間」に由来していると言われています。つまり、トランプ1組はまるでカレンダーの縮図のような存在なのです。
トランプの絵柄(スート)は季節を表す
トランプは4つの絵柄(スート)に分かれ、それぞれ13枚ずつで構成されています。これは、1年を4つの季節に分けたときの「1シーズン=13週間」と重なると考えられています。
それぞれのスートには、以下のような意味があるという説があります。
- ♣クラブ→春(生命の芽吹き、新たな始まり)
- ♦ダイヤ→夏(太陽、豊かさ、成長)
- ♥ハート→秋(実り、愛情、収穫)
- ♠スペード→冬(終わり、知恵、試練)
つまり、トランプの52枚は1年の流れと深く結びついているのです。
ジョーカーの役割と意味とは?
トランプに含まれるジョーカーは、多くのゲームでワイルドカード的な扱いを受けます。でも実は、ここにも暦的な背景があるのではないかとされています。
前述の通り、トランプの枚数は「1年=52週間」を表しますが、1週間は7日なので52週×7日=364日。ここにジョーカーを1枚加えると365日、2枚足すと閏年の366日になります。こうしたことから、「ジョーカーは1年の調整役」とも考えられているんですね。
つまりジョーカーを加えることで、ちょうど1年の日数に合います。特に2枚のジョーカーが含まれるセットでは、平年と閏年のどちらにも対応可能という見方も。
ジョーカー自体は比較的新しい追加要素であり、ゲームによっては使用されないケースもあります。とはいえ、「暦の帳尻を合わせる存在」とも考えられますね。
トランプの「赤と黒」にも意味がある?
トランプをよく見ると、♠スペードと♣クラブは黒、♥ハートと♦ダイヤは赤に色分けされていますよね。この「赤と黒」の配色にも意味があるとされています。
一説には、「昼と夜」「陽と陰」といった二元性の象徴とも言われており、人間社会や自然のバランスを表しているとも考えられています。
また、印刷技術が発展する以前は、色を使い分けることでカードの視認性を高めるという実用的な工夫もありました。単純な配色にも、意外な歴史と意図が隠れていたのです。
数字カードにも意味があった?
実は、トランプの数字カード(A〜10)にも、それぞれ象徴的な意味があると言われています。たとえば「A(エース)」は、本来「1」なのに最も強いカードとされており、“始まり”と“頂点”という相反する意味を同時に持つ特別な存在なのです。
また、数字自体も占いや風水の世界では意味を持っており、トランプ占いでは数字とスートの組み合わせから性格や未来を読み解くこともあります。普段はただのゲームの道具に見えるトランプですが、実は一枚一枚に奥深いストーリーが秘められているんです。
さらにJ(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)といったトランプ 絵札(スート)にはモデルが存在するとされています。
トランプと暦の深い関係?月の満ち欠けや12か月にも対応?
トランプの枚数には、「1年=52週」や「4スート=四季」などの象徴が込められているとご紹介しましたが、それ以外にも暦や宇宙のサイクルとの関係があるという説があります。
数字カードの合計が象徴的な数字になる?
トランプの数字カード(A〜10)の合計は、1スートで1+2+…+10=55。4スート分で合計220になります。さらに絵札12枚やエース4枚、ジョーカーを加えると、占星術や古代の暦と関係する「象徴的な数字」になるとする説も存在します。
カード全体の構成が、宇宙の周期や宗教的な意味とつながっているとも考えられているのです。
13枚ずつの構成は月の満ち欠けにも対応?
各スートが13枚という点は、太陰暦(月の満ち欠け)とも関係していると言われています。1年を28日周期で数えると約13周期あり、これが「13枚×4スート=52枚」と一致します。
つまり、トランプは月のリズムを表す古代的なカレンダーの役割も果たしていたのではないかという説です。
まとめ
一見シンプルに見えるトランプですが、その裏には「1年の構成」や「歴史上の人物」、「文化的意味」が詰まっています。
52枚は1年の週数、各スートの13枚は1季節の週数を表し、ジョーカーは365日や閏年への調整役。さらに絵札には歴史上のモデルも存在していたんですね。
こうした背景を知ることで、ただのカード遊びが少し知的で奥深い体験に変わるはずです。