トランプにはトリックテイイングゲームと呼ばれる遊び方の種類があり、ブラックレディもその一種です。ハーツとまとめて呼ばれていますが、その代表例となるのがブラックレディでハーツではなくハートと表記されることもあります。日本ではあまり馴染みのないトランプゲームであるため、今回はブラックレディのルールと遊び方はもちろん、歴史などにも触れながら紹介していきたいと思います。
ブラックレディとは?
ハーツと呼ばれるトランプゲームの一種であるブラックレディは、アメリカやヨーロッパで最も主流となっているカードゲームです。プレイヤーは3人から6人で行うことができますが、4人が一般的であるといわれています。対象年齢は高校生以上が平均となり、難易度も他のトランプゲームと比較すると高めであるといえるでしょう。得点が決まっておりゲームが終わった際に最も得点の高いプレイヤーが勝者となります。
ブラックレディの歴史について
ブラックレディはハーツと呼ばれるゲームの代表例であり、16世紀頃にヨーロッパで考案されたリバーシスというゲームであるといわれています。ハーツと同様にマイナス点のつくカードをトリックで獲得しないことを目標にしているゲームですが、点数の対象となるカードが異なります。ローカルルールも後に追加されていますが、今回は一般的なルールでのやり方を紹介していきます。
ブラックレディの基本用語
ブラックレディをプレイするにあたって使用されている用語は、他のトランプゲームと同じものが多く比較的覚えやすいものであるといえます。トランプの絵柄であるハート、ダイヤスペード、クラブのことをスートと呼んでおり、最初のプレイヤーが手札から任意の1枚を場に出すことをリードすると言います。さらに各プレイヤーが1枚ずつ場に出し、その中で一番強いカードを出した人がそのラウンドのカードを全て回収するシステムをトリックと呼びます。
ブラックレディで使うカード
ブラックレディで使用するカードはトランプ1組で、ジョーカーを除いた52枚から、人数に従ってさらにカードを抜いたものを使用します。3人の場合は2のクラブかダイヤを抜き、5人の場合は2のクラブとダイヤの両方を抜きます。6人の場合は2の札全てを抜くか、2のクラブとダイヤと3のクラブとダイヤを抜きます。4人の場合は何も抜かずに使用します。プレイする人数によってカードの使用する数が異なってくるため、初めてプレイする際には4人で行うことをおすすめします。
ブラックレディのルール
ブラックレディではマイナス点をとらないようにすることが目的となります。ハートのAからKはマイナス1点となり、スペードのQはマイナス13点で一般的に決められたマイナス100点を超えるまで何度もゲームを続けます。カードが配られた後各プレイヤーは手札から3枚のカードを選び、裏向きにして左隣のプレイヤーに渡し右隣のプレイヤーからの3枚のカードを受け取ります。この際左隣のプレイヤーに渡すカードを選ぶ前に右隣のプレイヤーからのカードを見ないというルールがあります。
ブラックレディのローカルルール
ブラックレディには一般的なルールの他に、ローカルルールがいくつかあります。オープニング・リードと呼ばれるルールでは、最初のトリックでは2のクラブを持っているプレイヤーに戦略の自由がないことからディーラーを基準にしてプレイヤーを決める方式もあります。ディーラーの左側のプレイヤーがリードを行い戦略を考えて自由に行えるようになりますが、この際にはディーラーの順序をしっかりと記録しておくとゲームを進めやすくなります。
ブラックレディの遊び方
ブラックレディはトリックを繰り返していきますが、切り札のない通常のトリックテイキングゲームのルールに従ってプレイしていきます。カードの強さは最も強いのがAとなりK、Q、Jの順に続いていき一番弱いのが2となります。カードを獲得したプレイヤーが次のトリックのリードを行いますが、最初のトリックを行う際のリードはクラブの2を持っているプレイヤーからになります。
ブラックレディのゲームの流れ
クラブの2を持っているプレイヤーが手札から好きなカードを1枚場に出し、その後時計回りに各プレイヤーが手札からカードを表向きに場に出していきます。この時場に出ているスートと同じカードがある場合はそれらの中から1枚選んで場に出し、ない場合は好きなカードを場に出します。ブラックレディではリードされたスートが手札にありながら場に出さないのは反則になるので注意が必要です。
札を獲得し得点にしていく
リードされたカードの中で最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックに勝ったことになり、そのプレイヤーのものになります。これを繰り返し手札がなくなったらディールは終了となり、獲得したカードの中からマイナス点を計算し自身の得点をメモに残しておきます。決められたマイナス点になるまで行い、終了時点でマイナス点が最も少ないプレイヤーが勝者となります。
ブラックレディの得点
ブラックレディはマイナス点を取らないようにプレイしていきますが、全部のマイナス点は合計26点です。そのためマイナス点をとらなかったプレイヤーは26点をわけあって得点することになります。得点が割り切れなかった場合は、次のディールに持ち越すことになります。さらにクリアしたプレイヤーがいなかった場合には、その回の26点の得点が全部次のディールに持ち越しとなるのです。
まとめ
今回はブラックレディの遊び方や歴史、ゲームを行う上での基本用語について解説していきました。日本ではあまり馴染みのないトランプゲームではありますが、ルールは他のトランプに似ている部分もあるため理解しやすいのではないでしょうか。ブラックレディはマイナス点を避けるという少し変わったゲームのルールで、戦略が非常に重要となっていくゲームです。そのため難易度も他のトランプゲームより難しいといわれていますが、気になった方は是非ルールを覚えながら挑戦してみてください。