近年流行しているボードゲーム。多くのボードゲームファンから支持を受ける名作ボードゲームの一つが「コヨーテ」です。幅広い人数で遊べて、遊ぶ人数によってゲームの性質が大きく変わるのが特徴的、ルールも簡単なので遊びやすい一方で心理戦が奥深いゲームでもありますよ。今回はコヨーテとは何なのかについて紹介します。
コヨーテとは
コヨーテとは「ファブフィブ」で知られるスパルタコ・アルベルタレッリさんが手掛けたカードタイプのボードゲームです。スパルタコ・アルベルタレッリさんの代表作がファブフィブとコヨーテなのですね。オオカミの近縁である食肉動物、コヨーテの数を数えるというゲームであり、この動物のコヨーテがゲームタイトルの由来にもなっていますよ。
推奨プレイ人数は2人から10人までとされており、非常に幅広い人数で遊ぶことが出来ますが、2人プレイだと運の要素が大きく、10人近くになると少しハチャメチャになったりもします。オーソドックスに遊べるのは4人ぐらいの人数ですかね。
コヨーテの遊び方
ここからはコヨーテの遊び方について紹介します。まずは遊ぶ準備についてですが、商品として発売されているコヨーテには細長いカードが多く収録されており、基本的にこれを用いて遊ぶこととなります。他には正方形に近い形のカードもあり、これはライフを示すカードになっていますよ。
準備としては、細長いカードを山にしてよくシャッフルし、裏面を上にして置きます。そして、公式ルールでは3ライフ制なので、ライフのカードを各プレイヤーに配ります。ライフの片面には人形が1つ、もう片面には人形が2つ描かれていますよ。
細長いカードを各プレイヤーに配ってそれぞれ額にかざす
コヨーテは短い時間で終わるワンセットの試合を繰り返していくタイプのゲームです。ゲームの準備が出来たら、早速細長いカードを各プレイヤーに配ってゲームスタートです!配られたカードはプレイヤーがそれぞれ自身の額にかざします。カードの表面には1や2などの数字が書かれており、カードの裏面には表が描かれています。コヨーテでは、ゲーム中に自身のカードの表面を見てはいけないので、表面を前に、他のプレイヤーから見えるようにしてかざしますよ。裏面の表はゲームが進んでいけば、ゲームの状況を理解するのに役立つ情報となっています。
プレイヤーが順番に数字をコール
いよいよゲームスタート!任意の方法でスタートプレイヤーを決定した後、スタートプレイヤーから順番に数字をコールしていきます。各プレイヤーが掲げているカードに描かれている数字が、その場のコヨーテの数であり、各プレイヤーがコールする数字は、場のコヨーテの数を越えない数字でなければいけません。プレイヤーが数字をコールすると、また次のプレイヤーが数字をコールしていくことになるのですが、前のプレイヤーよりも大きな数字をコールすることは出来ないというルールもありますよ。つまり、場のコヨーテの数を越えないギリギリをコールしていくというチキンレースがコヨーテの本質なのですね。
場のコヨーテの数を推理する
それぞれのプレイヤーは自分のカードの数字だけは確認することができないので、自分が持っているカードの数字を推理して数字をコールしなければなりません。推理の材料となるのは、他のプレイヤーのコール数。自分が見えているカードの数字の合計よりも大きな数字をコールされた場合は、自分が持っている数字が大きな数字である可能性があるのですね。
とはいえ、特に序盤は推理材料も少なくなります。序盤は少ない数字を行っておけばリスクはないでしょう。
カードに描かれているのは単純な数字だけではない
厄介なのが、カードの表面に描かれているのは1や2などの単純な数字だけではなく、-5、-10という場のコヨーテの数を減らしてしまうカードや、コヨーテの数を倍にする×2、場の一番大きなカードを0に書き換えてしまうMAX→0というカードもあるのです。他のプレイヤーのコール数が不自然な場合は、自分がこれらのカードを持っているのではと疑わなければなりませんが、時には不意打ちでやられてしまうのを避けられない場面もあるでしょうね。
前のプレイヤーがオーバーしてしまったと思ったら「コヨーテ」とコール!
自分の前のプレイヤーがコールした数字が場のコヨーテの数よりも大きな数字だと思ったら、数字をコールするのではなく「コヨーテ!」とコールしましょう。誰かがコヨーテを宣言した場合、全員のカードを表向きにして机に置き、場の合計値を数えていきます。場の合計値よりも前のプレイヤーのコールした数字の方が大きければ、コヨーテ成功!前のプレイヤーはライフを一つ失います。反対に小さかった場合は、コヨーテ失敗なのでコヨーテをコールしたプレイヤーがライフを一つ失います。2つの数字が同じだった場合も、コヨーテは失敗になってしまう点に注意が必要ですよ。
決着がつくまで繰り返す
コヨーテの宣言がありライフの減少を行った後は、また各プレイヤーに細長いカードを配って次の試合に移ります。ライフが一つ減るとライフのカードを、人形が2つの方から1つの方へ裏返し、そこから更にライフが減るとライフのカードを手元から離します。人形は、いわば囮の意味。ライフのカードがない状況でまたライフが減る、つまり3つ目のライフを失うと敗北で、最後に一人のプレイヤーが残るまでゲームは続きますよ。
前の試合で使ったカードは原則そのままに
前の試合で使ったカードは、山札に戻してシャッフルする⋯⋯ということは原則しません。前の試合で使われたカードがなんなのか、全員のプレイヤーが確認できるように場に置いてゲームを続けていきます。ゲームの裏面の表はカードセットにどのカードが何枚あるかを示しており、MAX→0などの影響力が大きいカードは枚数が少なくなっています。既にどのカードが使われたのか、というのも推理材料になるのですね。
しかし、カードの中にある黒い0のカードが出てしまうと、その次の試合の際には全てのカードをシャッフルして、また情報が少ない状態で試合に臨まなければいけません。
ルールに変化をもたらすスペシャルカードも
公式商品には、コヨーテのルールに変化をもたらすスペシャルカードが入っています。自分の番にスペシャルカードを出すことで6つの効果のうち1つを選んで使えるというもので
- パスをすることができる「セイム」(セイムは二人連続では使えない)
- 次のプレイヤーが自分にコヨーテを宣言した場合、負けたプレイヤーがライフを2つ失う「ダブル」
- 数を宣言する前に順番を逆周りにする「リバース」
- 数を宣言した後に、誰か一人他のプレイヤーを選んでカードをもう一枚引かせて額につけさせる「ドロー1」
- 前のプレイヤーの宣言した数を変更させ、その上でコヨーテするかどうかを選べる「チェンジ」
- 数字を宣言した後に次のプレイヤーを誰にするか選べる「ショット」
の6種類の効果がありますよ。
最後に
今回は、コヨーテとはどんなゲームなのか、遊び方や作者、由来などについても紹介しました。スペシャルルールについては効果的に使用するのが難しい物も多かったり、セイムが優秀過ぎるためにセイムばかりが使われたりでスペシャルルール自体を使用しないという人も多いようです。あえて意識的に色々な効果を選ぶようにして遊んでみたりするのもいいかもしれませんね。










